若年性認知症 〜 予防の可能性は約35%❓
こんにちは、メタボじいさんこと“MG3”です。
1. はじめに
時々、高速道路の逆走による事故が報道されます。
その原因は「認知症」による場合があるそうです。
アルツハイマー型認知症の人は、左右が分からなかったり、交通ルールが分からなかったり、今どこにいるのかすらもわからなかったりするため、高速道路を逆走していまうそうです。
11月28日にあった「若年性認知症支援ネットワーク研修」に参加しました。
研修のなかで、神経内科の医師による「若年性認知症に早く気付くためには」と題した講演がありました。
今日は、その講演の内容を中心に、MG3にとっても人ごとではない「若年性認知症」について調べてみました。
<認知症の現状と将来推移>
2. 認知症とは
若年性認知症の前に、まず一般的な認知症について調べてみました。
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が壊れてしまったり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、生活する上で支障が出てくる状態をいいます。
認知症になると、物忘れが出たり、時間・季節・場所の感覚がわからなくなったりします。
また、認知症は、高齢期だけの病気ではなく、誰もが発症する可能性があります。
上のグラブのとおり、 65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は、2012年時点で、推計15%、約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
“クジ運のないMG3”としては、どうも4/5には入れそうにはありません❓
<加齢によるもの忘れとアルツハイマー型認知症によるもの忘れの違い>
3. 加齢によるもの忘れ (正常) と、認知症(病気)によるもの忘れの違い
還暦すぎると、人の名前が急に出てこなくなりました。
思い出せない自分に無性に腹が立ちます。
これって認知症では?と思いましたが、加齢によるもの忘れの範囲で、正常であるとわかりひと安心しました。
○ 加齢による単なるもの忘れ (正常)
・ 内容の一部を忘れる
・ 人の名前が出てこない
・ ヒントがあれば思い出せる
● 認知症によるもの忘れ (病気)
・ 内容を全部忘れる
・ メモをしても、メモが分からない
・ 今まで使っていた道具が使えなくなる
ポイントとしては、認知症によるもの忘れは、忘れてはいけない大事なことを忘れてしまうことです。
<認知症の原因となる病気の割合>
4. 認知症の種類
認知症の原因となる病気には、上のグラフのとおり、おもに「アルツハイマー型」、「脳血管性」、「レビー小体型」の3つがあり、もっとも多いのがアルツハイマー病です。
認知症の原因としては、約60%を占め、もっとも多い病気です。
もの忘れから始まり徐々に症状が進行していく進行性の病気です。
脳にできるアミロイドベータやタウという異常なタンパク質が脳細胞の働きを弱めて死滅させることが原因とされています。
下のMRI画像で分かるように、記憶を司る脳の海馬周辺から脳が左右対称に萎縮していきます。
脳にレビー小体という異常なタンパク質が大脳皮質に広がって起こるものです。
実際にはないものが見える幻視や妄想などの精神症状と、パーキンソン病のような肩、膝、指などの筋肉がかたくなって、スムーズに動かしにくいなどの症状が伴います。
1日の中で症状に変動を生じるのが特徴です。
❸ 前頭側頭葉変性症認知症
初老期や65歳未満の若年性認知症患者に多く発症します。
脳の前方や側頭の神経細胞が壊れ大脳が萎縮することによりって起こる病気です。
「人間らしさ」を担う部位がある前頭葉や側頭葉の異常が目立つため、症状の進行に伴い、人格の変化や常同行動、異常行動が見られるのが特徴です。
❹ 脳血管性認知症
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動脈硬化などの脳の血管の異常により起こる認知症です。
脳梗塞や脳出血を何度か繰り返すことで脳の機能が低下し、脳血管障害を起こすたびに症状は進行します。
脳血管性認知症は高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が原因と言われています。
初期症状として、もの忘れの他に、高血圧や頭痛、めまいや四肢のしびれ感などが出ることがあります。
アルツハイマー型認知症が女性に多いのに対し、脳血管性認知症は男性に多い病気です。
5. 認知症を発見するためのチェックポイント
❶ 時間や月日が分からなくなる
❷ 身近な家族な名前が分からなくなる
❸ 大事なものが行方不明になる
❹ 大事な約束を忘れる
❺ 料理のレパートリーが少なくなる
❻ 外出の機会が少なくなる
6. 若年性認知症とは
認知症は高齢者に多い病気ですが、若い年齢で発症することもあります。
若年性認知症になると、判断力が低下したり、手順を踏んだ作業をすることが難しくなったりします。
また、今いる場所や時間がわからなくなるなど生活のしずらさを感じるようになります。
若年性認知症は、患者数が少なく本人や家族も気付きにくいことから、発見が遅れがちになることがあります。
加えて、異変を感じて医療を受診しても、診断に時間がかかることがあります。
高齢者の認知症との比較で、若年性認知症の特徴としては次のようなことがあげられます。
❶ 発症年齢が若い
❷ 男性に多い
❸ 初発症状が認知症の特有でなく、診断しにくい
❹ 異常であることには気がつくが、受診が遅れる
❺ 経済的な問題が大きい
❻ 主介護者が配偶者に集中する
❼ 本人・配偶者の親等の介護が重なり、時に複数介護となる
❽ 家庭内での課題が多い(就労、子供の教育・結婚等)
<認知症と予防可能な危険因子の寄与>
7. 認知症の予防
上の図は、2017年に出された認知症の予防に関する論文で紹介されたものです。
その中で、危険因子を取り除けば、認知症の35%は発症防止が可能と主張されています。
しかし、逆に言えば65%の修正不可能な因子があるわけで、認知症に関してはまだ解明されないことが多くあると言えるでしょう❗️
では、認知症の予防には具体的にはどんなものがあるでしょうか。
アルツハイマー型認知症の発症の危険度は、生活環境も大きく影響すると言われています。
下の図のように、アルツハイマー型認知症には防御因子と促進因子があります。
文章を読む、テレビ・ラジオの視聴、知的なゲームをするなどの知的な生活習慣がある、人と接する頻度が高い、といったことも大切です。
認知症を予防するためには「心と体の健康維持」がポイントです。
【認知症予防10か条】
❶ 生きがい作って生涯現役
❷ 強いストレスを避け、楽しい生活
❸ 若いころからストレスの対処法をいくつも身につけておく
❹ 1日30分の有酸素運動
❺ 1日30分以内の昼寝の習慣
❻ 野菜や果物を食べる
❼ 魚・海藻を食べる
❽ 赤ワインを飲む
❾ 楽しい食卓
➓ 新たな仲間との創造的活動
なぜ❽赤ワインなのかよく分かりません❓
8. おわりに
厚生労働省が発表したデータ(平成21年)によると、若年性認知症の平均発症年齢は51.3歳と、まさに働き盛りの年代です。
そのため、就労継続が第一の問題となります。
しかしながら、上のグラフのとおり、7割以上の人が職場を退職したり、解雇されているのが現状です。
その結果、本人や家族,職場に様々な問題が生じていると思います。
今、私たちができることは、若年性認知症に対する理解を深めることと、その支援に取り組むことでしょう。
また、早めの検査と、栄養・睡眠・運動などによる予防に努めることも大切です‼️
<認知症検査には、MRIによる脳ドックでVSRAD検査を試してみては>
mg3kensinmemo.hatenablog.com
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。
⭐️⭐️⭐️次回は、“ メタボ解消のための数値目標 〜 どこまでできたか自己評価‼️” です。
お楽しみに❗️
本日のブログアイコンのタイトルは、『最近、大事な約束を忘れたことはないか?若年性認知症のチェックをトラにする“メタボじいさん”』でした。